リクルートのサービス改善とこれからの進化

リクルートのサービス改善とこれからの進化

こんにちは。サービスデザイン部インタラクションデザイングループの立石です。

インタラクションデザイングループは、リクルートの各事業会社が運営するサービスに対して、インタラクションデザイン・IA(情報設計)・UI設計という側面から、サービス改善や新規立ち上げを支援しています。

今現在、私たちが行っている業務の中でも、多くを占めるのが、既存サービス改善です。
リクルートグループでは、様々な領域のネットサービスを展開していますが、私たちは、既に運用されているそれらのネットサービスのUX・UI改善を常におこなっています。

また、私たちは、それらをおこなうためにPDS改善のプロセスを型化し、それを利用して数多くの改善を成し遂げてきました。

しかしながら、改善を繰り返していくことによって新たな課題も見えてきています。
今回は、私たちインタラクションデザイングループのサービス改善について、これからの取り組みについて紹介したいと思います。

これまでのサービス改善手法と見えてきた課題

そもそも、私たちが型化しているPDS改善スキームは、以下のような特徴があります。

  • 定量データであるアクセスログにより課題のある画面を特定し、優先順位を付ける
  • 専門家である自分たち自身によるヒューリスティック評価をおこなう
  • 施策リストを作成し、様々な観点から施策の実施優先順位を決定する

そして、先に述べたとおり、この手法で多くのリクルートサービス改善を実施し、一定の成果を得てきました。しかし、あるサービスにおいて改善の回数を重ねていくと、いくつかの課題に直面するようになったのです。

サービス改善が進むと…

  • 改善施策が出にくくなり、施策不足が生じはじめる
  • 効果インパクトの大きな改善施策が出にくくなってくる

そして、その課題の原因仮説を次のように捉えています。

図1

このように、ある程度の期間、改善を進め成果を得てきた結果、壁にぶつかるケースが増えてきました。
もちろん、我々は、これを打破すべく、サービス改善のスキームの進化に取り組んでいます。

今、取り組んでいること

元々、アクセスログという定量データとヒューリスティック調査を元に改善課題を特定することにフォーカスしたこれまでのプロセスは、改善の初期段階では十分に機能するものです。
そして、改善が進んでいる証拠として、改善施策が不足し、効果インパクトの低減が現れるのは、当然の成り行きとも言えるでしょう。
図2

では、どうするか?
私たちは、次のようなことを自分たちの改善手法に取り入れていきたいと考えています。

 ・ヒューリスティック調査以外の定性リサーチの結果も加え、UX・UI課題を構造的に捉えて施策に落とし込む手法を改善サイクルに組み込む

図3

 

定性データの取得に関しては、別部隊であるマーケットリサーチグループが、MROCなど先進的なものを含め、様々な手法を開発しているので、連携してサービス改善に必要な定性データを取得していく予定です。

一番のポイントは、得られた定性情報をどのように整理、解釈して本質的な課題を構造化するかですが、これについては、様々な手法を私たちインタラクショングループとマーケットリサーチグループが連携して検討しています。

これによって、今後のサービスのエンハンス改善において、施策の幅を拡げることができ、さらに、インパクトの大きな改善効果を得られると考えています。

最後に

このように、サービスの改善プロセスにおいても、定量的な思考と定性的な思考を組み合わせて施策立案をおこなっていくということは、個人的なスキルとしても、非常に価値のあるものだと思います。

また、それを大規模サービスで一貫して実行できる環境や機会というものは、それほど数多くはないでしょう。

そんな環境のあるリクルートテクノロジーズは、インタラクションデザインの実践の場として、最高の場であると考えています。