無茶振りのよい/わるいを考えてみた

無茶振りのよい/わるいを考えてみた

この記事は
リクルート ICT統括室 Advent Calendar 2023
9日目の記事です。

ICT統括室の佐々木です。
主に、全社のICT施策の推進やDX推進・支援を担当している方々へ、組織が提供できる価値をさらに向上させるための無茶振りをするお仕事をしています。
この記事では、無茶振りをする側からみた、よい無茶振り/わるい無茶振りについて、これまでの学びや気づきについてお話したいと思います。
個人の見解ではありますが、無茶振りされた時にどう受け止めるのか(または、どう対処するのか)に困っている人や、メンバーにどんなお仕事をお願いしようか迷っている組織長などの方に、ちょっとでも参考になれば嬉しいです!

無茶振りとはなにか?

まず、一般的な定義を確認するために、辞書(?)を引いてみますと

むちゃ‐ぶり【無茶振り】
困難な仕事を無理やり頼むこと。 返答に困る話題を投げかけること。 また、漫才などで相方に無理難題を押しつけて困らせること。 – goo辞書

という定義になっていました。
ここではお仕事に関することとして、「困難な仕事を無理やり頼むこと。」という定義の部分を中心に、「無茶振り」について考えていきたいと思います。

この定義にある「無理やり頼む」という部分は、一般的には嫌がらせや、押しつけの様なネガティブな状況として捉えられると思います。ただ、見方を変えると、「自分では発想・設定しないような、非連続な成長へ繋がる目標を、思ってもみないタイミングで依頼される」という様なポジティブなケースもこれに該当するのではないでしょうか。

というのも「自分では"発想"しない」ということは、つまり「外からの影響」が不可欠であり、且つ、「自分では"設定"しない」のであれば、ある程度の「無理やり感」が必要であると考えるからです。

つまり、「無茶振り」と一言で言っても、ポジティブな「よい」無茶振りと、ネガティブな「わるい」無茶振りがあると言える思います。

実際に自分も、思ってもみないタイミングで、自分では選択しなかったであろう仕事にアサインをされたことがあり、その時は苦労は沢山ありましたが、後から考えると良い経験ができたと思える「機会の提供」ともいえる無茶振りでした。一方で、後から考えても「アレはなかった…」と思うような無茶振りも当然あります。
その2つの違いがなにか、について考えることで、「よい無茶振り」と「わるい無茶振り」が見えてくるような気がします。

「よい無茶振り」と「わるい無茶振り」とは?

では、「よい無茶振り」と「わるい無茶振り」を分ける要素は何でしょうか。
個人的には、「よい無茶振り」とは、以下の要素を満たすものと考えています。
達成可能性がある、且つ、達成できない場合の次善策がある
達成に向けた試行錯誤こそが価値であり、達成したら評価が上がる
以下、順を追って説明します。

達成可能性がある、且つ、達成できない場合の次善策がある

「無茶振り」は「無茶」=「困難な仕事」であるため、通常のやり方では達成できないことが多いです。(というか、そうでなければ、「無茶」と言えないかもしれません)
例えば、営業担当に、売上100倍!という様な無茶振りをした場合は、利益率を極限まで下げて(またはマイナスにして)売上だけを追う、だったり、M&Aをする、など、ある程度の発想の転換が必要です。そして、発想の転換ができたとしても、実行ができる権限が必要です。

そのため、依頼する側としては、一定の権限譲渡とリスク受容を前提にしなければ達成可能性がないということと、それでも様々な理由から実行が難しいケースや、そもそも、発想の転換からしてできない可能性も多分にあることを理解しておく必要があります。

特に、無茶振りが成功しなくても、他の方法で現実的な目標を達成できる算段を付けておく(次善策)は重要です。会社や事業の存続を賭けて…という様な状況でない限りは、無茶振りの成否に運命を委ねる選択は、避けた方が賢明かと思います。
どうしても賭けに出ざるを得ず、無茶振りの達成確率を上げたい場合には、ある程度の突飛な発想を受容するリスクや、大きな実行権限を渡すことをセットで考えておく必要があります。

「わるい無茶振り」の最たる例としては、炎上プロジェクト(計画段階で確保していた予算や開発期間が、決定的に足りなくなっているプロジェクト)にメンバーを追加して「なんとかしてこい!」と指示することが挙げられると思います。炎上プロジェクトは仕切り直し(スケジュールやスコープ、体制などを見直すなど)が必要です。それらの手段が取れない立場のメンバーでは、発想を広げたり転換することも難しく、また、それを実行することができないため、単にデスマーチの被害者を増やすだけの結果になります。プロジェクトは炎上したままで良い、デスマーチを経験させたい、などの意図がない限りは、良い打ち手とは思えません。

もしも自分がこんな「わるい無茶振り」をされたら、仕切り直しの様な手段を取れるポジション、または、それが可能な上司を要求するか、次善策(というか最善策)の立案を求めるべきで、それすらも叶わないようなら、新しい仕事を探すことをオススメします。

達成に向けた試行錯誤こそが価値であり、達成したら評価される

前述の話と若干被りますが、そもそもが「困難な仕事」であり、依頼する側も「無理かも」を想定しているとすれば、当然、依頼された側もそうあるべきです。もちろん、達成に向けて何もしていない場合は論外として、前向きに取り組んで色々と試した結果の失敗であれば、その失敗から得られた学びや示唆が仕事の成果であり、目的達成と言えるのではないでしょうか。

無茶な依頼をされるわ、色々な取り組みを試したのに評価が下がるわ、であれば、誰も依頼を受けたくないですし「高い目標に対してチャレンジしていく」という風土も生まれなくなります。逆に、色々と取り組んでOK、失敗しても責められない、という状況であれば、少なくとも萎縮して何もできない状況にはならない筈で(あるとすれば、それは仕事をしていないだけ、と言える状況になりますし)、これまでにない発想や成果が生まれやすく、また、それを評価されることで次のチャレンジに繋がっていく流れが作りやすいのではないでしょうか。

過去の自分の経験で恐縮ですが、炎上プロジェクトにメンバーとしてアサインされ、自分のチームは立て直したにも関わらず、プロジェクト全体としては失敗と評価されたことがありました。逆に現職では、チャレンジした結果で褒められることはあっても失敗して怒られた経験が無いですし、過去に大きな失敗をした人でもそこで得られた経験を評価され次のチャレンジの機会が与えられたり、組織長に任用されていく環境です。無茶振りをする/される機会は両方ありますが、それを楽しみながら想像以上に長く勤めてしまっています。

まとめ

上記の「達成可能性がある、且つ、達成できない場合の次善策がある」と「達成に向けた試行錯誤こそが価値であり、達成したら評価が上がる」という2点を満たしている限りは「よい無茶振り」、逆にどちらかでも満たさないと「わるい無茶振り」となる、というのが考察のまとめになります。

よい無茶振りは多ければ多いほど(依頼される側のストレスがかかる、という点はあるので、もちろん程度の問題はありますが)組織が新たなチャレンジや成果を生み出す原動力になるのではないでしょうか。

そんな「よい無茶振り」がたくさん生まれているリクルートでは、一緒に働く仲間を募集しています。ご興味がある方のご連絡をお待ちしております!