動画で社内ICTの利活用を促進してみた

動画で社内ICTの利活用を促進してみた

この記事はリクルート ICT統括室 Advent Calendar 2023 15日目の記事です。

はじめに

ICT統括室 領域コミュニケーション推進グループの真武(またけ)、伊能です。
今回は、動画で社内ICTツール(TeamsやSlack、Googleスプレッドシートなど)の利活用促進してみた件について、ご紹介したいと思います!

ICTツール提供の課題感

ICT統括室では、リクルートで働く従業員やパートナーに対して、PCやスマートフォン、社内ネットワーク、クラウドサービスなど、50種類以上のサービスを提供しています。
特にクラウドサービスは、かなりたくさんの種類を用意しているので、人/組織の働き方に合わせて適切なものを選べます。また、リクルートとして求められるセキュリティ対策・ガバナンス対策やサービスの運用もICT統括室で実施しているので、独自にサービスを導入・運用するよりも安心・安全というメリットもあります。
ただ一方で、「クラウドサービスの種類がたくさんあってよく分からない」「アカウントは発行されたけど、使い方がわからない」という声も一定数ありました。

そんな声に応えるべく、ツールやサービスの選び方を紹介するガイドラインを作成、テキストベースのTips集の拡充などを頑張ってみたのですが、特にこういった社内ICTツール初心者からすると、少し難しく感じられてしまったり、読むために時間を確保する必要がありました。
また、ツールごとに勉強会も定期的に開催しているのですが、1回につき1時間程度時間を取ってしまうのと、開催時間が固定されていて予定が合わない方も多く、参加者が限られていました。

動画でICTツールの利活用促進

そこで私たちが挑戦したのが、動画による社内ICTツールの利活用促進です!
今はなんと言っても動画の時代。業務でもプライベートでも、動画は身近な情報収集ツールになっていますよね。

「ゆるくて、短時間で観られる!でも業務効率は爆上がりな動画チャンネル」
と題し、3~10分の業務のスキマ時間に観ることができる動画を、週1本ペースで公開していきました。もちろん動画の企画検討から自分たちで行いました。
どんな動画で、どれくらいの長さであれば観てもらえるのかが分からなかったので、人の出演ありで5~10分のYouTube風動画と、人の出演なしで3分程度のTikTok風動画という2パターンで、ツールの概要説明/操作説明/Tips紹介動画を制作していきました。
動画を何本か制作していくうちに、ツールの概要説明を行う時には人出演ありのYouTube風、操作説明を行う時には画面操作が主になるので人出演なしでAI音声のナレーションを入れたTikTok風が合っているということが分かってきました。
また、ツールの初心者や苦手意識を持っている方でも分かりやすいように、動画ではなるべくIT用語は使わず誰にでも伝わる言葉で台本を作成することを意識しました。
演出では、堅苦しい雰囲気にならないように、「楽しみながら学べる」を意識し、ポップな演出をつけました。ニュース解説風、美容系YouTuberのライブ配信風、推し活風、サッカー解説風などなど。
『今まで見たことがない、尖ったチャレンジだ!』と社内の一部で話題を呼びました。
このような動画です↓

苦労したこと

そもそもYouTube動画は普段からよく観ていますが、実際に自分で作ったことはなかったので、ゼロからのスタートでした。
そのため、参考になりそうな動画をたくさん視聴したり、どういう動画にしたいか、雰囲気はどうするかなどをチームメンバーとたくさん会話をして擦り合わせしました。
動画は凝ろうと思えばいくらでも凝れます。制作自体は楽しいので、油断すると手間と時間が青天井です(笑) よってコストやリソースのバランスを意識する必要がありました。また注意すべきポイントとして、演出も身内ノリになりすぎると視聴者を置いてけぼりにしてしまう可能性があります。
議論し、公開後のアンケートなどのフィードバックを取り込み、「わかりやすい」「面白くてゆるい雰囲気」「無理なく続けられる」が成立するラインを探っていく過程はとても難しかったです。今でもこの部分は正直悩みどころですが、演出をパターン化し、コストやリソースを下げることでバランスを取るよう改善を続けています。
最も苦労したところは再生数の伸び悩みです。はっきりとした要因がわからず適切な打ち手が思いつきませんでした。そこで、実際に動画を観ていない部署の方々30名にヒアリングをしにいき、要因を探りました。
「自分には関係ない動画だと思ったので、動画を観ようと思わなかった」ということが要因の一つでした。改善策として、直ぐに公開済みの動画のサムネイルを全部変更し、動画内容や誰向けの動画なのかがサムネイルを見るだけで分かるようにしました。

(before → after)

今までは、よく観ているYouTubeチャンネルをイメージしてデザインに凝ってサムネイルを作っていましたが、業務時間が限られている中で観てもらう社内向け動画として求められているのは、サムネイルだけでどんな動画なのか、自分にとって有益なのかが一目で分かることだという発見がありました。これは動画を作っている自分達では気づけなかったことだったので、とても大きな気づきでした。

効果はあったのか?

「文字情報だけよりも動画の方が理解しやすい!」という意見をたくさんいただきました。
挑戦してみて、あらためて思ったのですが、ツールの操作方法説明はテキスト+画像よりも動画のほうが実際の画面操作をお見せできるので分かりやすいです。
「紹介されていた関数を使ってみたら、とても効率がよくなった」「知らない機能だったのですぐに試し、メンバーに共有しました」「動画を観て、自部署へのツール導入に至った」という声も寄せられました。また、動画時間を5分と短く設定したことで、始業時やお昼の時間帯に観ているという声もよく聞きます。

今後はどうするの?

現在、動画掲載を開始して5か月が経ちましたが、動画掲載サイトの総閲覧者数は4,000人弱。リクルートの従業員数約2万人を考えるとまだまだ伸びしろがあります。
私たちの目指すところは、ツールを選ぶときや操作するときに困ったら、その解消のための手段として動画も活用してもらったり、便利な使い方や、ツール利活用事例の紹介を動画で行うことです。この取り組みをより多くの従業員に知ってもらうべく、宣伝活動を強化していきたいと思います。
また動画内容についても、今までは社内ICTツールのみの紹介でしたが、今後はITセキュリティ啓発や社内ICT施策についても紹介し、より分かりやすく施策を全体周知していく際の広報手段として動画を活用するなどの試みにも挑戦していく予定です。

ちなみに!

リクルート ICT統括室 Advent Calendar 2023では、リクルートの社内ICTに関する記事を投稿していく予定です。もし興味があれば、ぜひ他の記事もあわせてご参照ください。